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編集部から

現代詩文庫『清岡卓行詩集』新装重版出来!

2025年05月21日

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観念と現実が刺し違える瞬間に迸る言語の美


きみの肉体の線のなかの透明な空間
世界への逆襲にかんする
最も遠い
微風とのたたかい
(「氷った焰」)


理想も地獄も、これを直接にうたうことは出来ない。これが清岡卓行にとっての傷であり確信であった。当然、理想と地獄をともに映し出す一種の鏡が、彼にとっての「日常」となった。「氷った焰」から「四季へのスケッチ」への歩みは、いわばこの鏡をみがきあげそれに仮構された透明な運動体としての生命を与える作業である。彼における変身への好みも、かろやかな諧謔もこの鏡が発する光にほかならぬ。――粟津則雄

原口統三『二十歳のエチュード』により伝説化した詩人による初期詩集『氷った焰』『日常』『四季のスケッチ』から収録。戦争の痕跡を刻印し、大胆さと繊細さを兼ね備えた詩的宇宙(コスモス)。作品論=吉野弘 詩人論=那珂太郎

1650円(税込)
四六判並製・152頁
ISBN978-4-7837-0704-2
1968年2月第1刷 2025年5月第19刷

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