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編集部から

小池昌代さんの『コルカタ』が第18回萩原朔太郎賞を受賞しました

2010年09月17日

【毎日新聞・9月4日朝刊】
優れた現代詩作品に贈られる「第18回萩原朔太郎賞」(前橋市など主催)に3日、詩人で小説家の小池昌代さん(51)=東京都渋谷区=の「コルカタ」(思潮社)が選ばれた。小池さんは「受賞の知らせを聞き、心が震えました。朔太郎はここ数年私の愛読書でした」とのコメントを寄せた。
小池さんは東京都江東区出身。97年、詩集「永遠に来ないバス」で現代詩花椿賞を受賞、07年には短編小説「タタド」で川端康成文学賞を受賞している。
選考委員を務めた歌人で医師の岡井隆さんによると、「コルカタ」は、小池さんがテレビ番組収録のために09年、2週間滞在したインドのコルカタでの体験を基に書かれた。小池さんは帰国後の1カ月間、毎日1編ずつ書いた詩を都内の書店の店頭で発表・掲示したという。
岡井さんは「短期間で一種のルールに従って作られた作品であり、作者の冒険心が感じられる」と評価。詩人で評論家の白石かずこさんは「コルカタに行きワイルドなエネルギーをとってきて、作品に昇華させたことが素晴らしい」と話した。
賞の贈呈式は10月30日、前橋市千代田町3の前橋文学館で行われ、小池さんには萩原朔太郎のブロンズ像と賞金100万円が贈られる。【塩田彩】