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南川隆雄『爆ぜる脳漿、燻る果実』

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さて どちらの方角に


ひととの別れほど
馴らされているものはない
髪を解きおろし半分透けるうしろ姿は
ひと波ごとに
ひかりの薄刃で刻みこまれていく
(「海風」)

幼少年期の戦時体験を自らの深みにしずめ、赤裸々な生を現在に問う。脳裏に刻まれた苛烈な光景と未だに見えない行く末に、一滴のほの甘い雫をにじませて。

本体2,400円+税
A5判上製・106頁
ISBN978-4-7837-3347-8
2013年4月刊