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佐伯圭子『繭玉の中で息をつめて』

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平成24年度半どんの会文化賞(及川記念芸術文化奨励賞)受賞!


揺れ動いた地上の一隅、ずれた初夏の石段で、蜥蜴がながい交尾をし、やがて指先ほどの卵から、釘のごとき赤ん坊も生まれた。浮遊する大地の一点、日陰の石ころの間に、草が育って匂うここ、一枚の契約は動き出し、わたしたちはしばらく、蚕のような日を過ごす。
(「繭玉の中で息をつめて」)

「佐伯圭子さんの若い時期の外部世界への接点と、この表現者としてのこれまでの歩みが、きわめて硬質の、手法としては情緒への傾斜を極度に抑制した長篇詩を成立させることになった」(たかとう匡子)。この地上に置かれること、この地上に生きること。一語一語を確かめ、小説的手法を用いながら、緊密な詩的世界を形づくる。装画=いしだふみ

本体2,400円+税
A5判上製・114頁
ISBN978-4-7837-3344-7
2013年3月刊

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