まじわる生
この掛け湯は父のため
この掛け湯は母のため
しろくにごった湯に
首までつかる
(「湯の峰」)
「老いたからだからふとい根っこが突きでたり/若いからだから貝殻のような骨がこぼれたり/白い石室でからだを洗っていると/かたちをうしなってまじわっているものがある」――ここにいない家族の記憶と物語が、からだの中に息づいていることに気づくとき、日常とは少しだけちがう景色が見えてくる。喜びと悲しみをあつめ、まっすぐな言葉で綴る第1詩集。
本体2200円+税
A5判変型上製・96頁
ISBN978-4-7837-3718-6
2020年9月刊
