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『詩と記憶――ドゥルス・グリューンバイン詩文集』縄田雄二編訳/磯崎康太郎・安川晴基訳

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バベルの脳の時代に


歯に着せた衣は裂いた。歴史よ――
塵埃を巻き上げ、すべてを消し去る風は
まことに我を傷ましめるのか。
(「雨の降り果てたヨーロッパ」)

「何かが事物の流れから引き離され、冷え、気密状態で封印される。それは時代遅れになり、それが別れてきた現在には常に欠けている、まさにその時間を帯びる。閉じ込められていたものをこじ開けると、音は人工遺物に変わる。詩行はカプセルだということがわかる」(「火山と詩」)。情報で氾濫し、忘却を加速させる現代生活において、詩作こそが、もっとも人間的な抵抗となりうるだろう――。ドイツ現代詩の旗手による、「記憶の詩学」のエッセンス。

本体2,200円+税
四六判上製・150頁
ISBN978-4-7837-2631-9
2016年8月刊

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