詩の本の思潮社

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江尻潔『虚光集』

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未出現への捧げもの


まそみかげ
 そにてりただし
  あもりせむ
かぐの
 やちほこ
ひみか
  みかろぎ
(「ひみかみかろぎ」)

「思えば私の詩はことば以前をことばで捉える試みである。その方法論として虚光の概念は有効にはたらく。虚光は未出現の光=闇であり響きである。本質としての光は未出現のまま留まりつづけるが、響きとして出現を果たしている。これは名づけえぬものが響きそのものとして出現すること、つまり、ことば以前のものであるにもかかわらず、ことばの形をなして現れることとパラレルである」(「あとがき」より)。距離ゼロ地点のまばゆさへ、発芽していく詩語。挿図=黒須信雄

本体2,800円+税
A5判上製・86頁
ISBN978-4-7837-3296-9
2012年7月刊

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