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イベント情報

日中韓3カ国語連詩 トーク&リーディング

2015年07月21日

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【日中韓3カ国語連詩 トーク&リーディング】

戦後70年の節目に、日本語と中国語と韓国語が共存し交友する詩的テキストを、3カ国の第一線の詩人と谷川俊太郎が紡ぐ。政治的言説に抗う、詩のひそやかな力。8月15日、この連詩の発表のために中国、韓国から詩人が来日。ゲストをまじえてトークとリーディングを展開します。ご期待ください!(ご来場者には、もれなく英語を含む4カ国語詩集を進呈!)

日時=8月15日(土)15:30~(開場:15:00)
場所=東京堂ホール(東京堂書店6F)
(東京都千代田区神田神保町1‐17/tel0120-400-361)

出演=
四元康祐[日本]×明迪(ミン・ディ)[中国]×金恵順(キム・ヘスン)[韓国]
×野村喜和夫×佐藤弓生(ゲスト)

会費=2000円(4か国語詩集進呈)
予約・問合=思潮社内「日中韓3カ国語連詩プロジェクト」事務局
tel03-3267-8141/fax03-3513-5867/e-mail: sichosha@sight.ne.jp
(メールでご予約の際は、お名前、人数、電話番号、メールアドレスをお書きください)

◎日中韓3カ国語連詩プロジェクトについて――四元康祐
太平洋戦争の終わりから70年を迎える今、日本と中国、そして日本と韓国の外交関係は急速に悪化しており、政治の場でも路上においても、対立と憎悪を煽る言葉の応酬が見られます。それらの言葉は一義的で、現実を動かす実際的な力を持っている一方、人の心を傷つけたり、欺瞞や偽善に陥る危険も併せ持っています。
それに対して、詩の言葉は多義的です。それは明示よりも暗示、表層よりも深層、そして分断よりも統合の方向に機能します。私は今年の8月15日という政治的な言説が噴出するであろう日に、詩が、国家や人種や政治思想の違いを超えて、普遍的な人間精神の交わりと融和を促すさまを示してみたいと考えました。そのために最もふさわしい方法として、伝統的な連歌の現代版である「連詩」という形式を選んだのです。
私の呼びかけに、中国、韓国、そして日本を代表する三人の詩人が興味を示し、参加に応じてくれました。私たちはそこに政治的なメッセージをこめようとした訳ではありません。目指したのはあくまでも、個を超えた協働作業を通して、多彩で重層的な言葉の絵巻物を作り出すことでした。政治の言葉に拮抗する詩の言葉の、密やかで微小ではあるものの、魂の奥底に働きかける力を分かち合おうとしたのです。

◎参加詩人
●明迪(ミン・ディ・中国語)
中国・武漢生まれ、ボストン大学への留学を経て、現在は米国・カリフォルニアに在住。これまでに中国語で6冊の個人詩集、外国語への訳詩集としてRiver Merchant’s Wife (英)、Ein Leeres Haus (独)、 Luna facturada (西)、 Histoire de famille (仏)などを発表している。翻訳者としても活躍し、海外の詩や詩論を中国語に訳したアンソロジーと、中国の詩の英訳アンソロジーをそれぞれ4冊ずつ共著。現在も中国の詩人たちを率いて、世界各地の詩祭に数多く参加している。
●金恵順(キム・ヘスン・韓国語)
1955年韓国生まれ。これまでに韓国語で10冊の詩集を発表した他、英訳詩集としてWhen the Plug Gets Unplugged (2005)、 Anxiety of Words: ontemporary Poetry by Korean Women (2006)、Mommy Must Be a Fountain of Feathers (2008)、All the Garbage of the World, Unite! (2011)、I’m OK, I’m Pig (2014)などがある。本プロジェクトに翻訳者として参加したDon Mee Choiの訳した最新英訳詩集 Sorrowtoothpaste Mirrorcream (2014)は2015PEN 詩翻訳賞の候補作品となった。
●谷川俊太郎 (日本語) *イベント当日は不参加です
1931年東京生まれ。1960年代から70年代にかけて、日本の連歌の伝統を大岡信らとともに現代的な「連詩」に発展させた。1979年の『櫂・連詩』はその成果を集成したものである。海外の詩人との連詩の経験も豊富であり、ドイツの詩人たちとの連詩『ファザーネン通りの縄ばしご-ベルリン連詩』(1989)、スイスの詩人ユルク・ハンターとの対詩『話す水(Sprechendes Wasser)』(2012)などに纏められている。また最近では韓国の詩人、申庚林(シンギョニム)との対詩『酔うために飲むのではないからマッコリはゆっくり味わう』(2015 CUON社)を発表した。最新作品に詩集『詩に就いて』『あたしとあなた』、絵本『せんそうしない』がある。
●四元康祐(日本語)
1959年大阪生まれ。詩集『世界中年会議』(山本健吉賞)、『噤みの午後』(萩原朔太郎賞)、『日本語の虜囚』(鮎川信夫賞)、『現代ニッポン詩(うた)日記』など。小説『偽詩人の世にも奇妙な栄光』、詩論集『詩人たちよ!』など。連詩は、大岡信らとの「静岡連詩」や谷川俊太郎・伊藤比呂美らとの「熊本連詩」などに続いてこれが5回目。ほかに小池昌代との『対詩・詩と生活』、田口犬男との『対詩・泥の暦』がある。米国を経てドイツ在住。
●Don Mee Choi (韓国語の翻訳担当)韓国で生まれ、幼少時に香港を経て米国へ移住。自身も詩人であり、第一詩集 The Morning News is Excitingは2011年度Whiting Writer’s Awardを受賞した。その傍ら、キム・ヘスンを含む韓国現代女性詩を積極的に英訳し、その業績により2012年度Lucien Stryk Asian Translation Prizeを受賞。「韓国現代文学と翻訳について」という論文で博士号を取得している。来年春には詩集Hardly Warが出版される予定。