詩の本の思潮社

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イベント情報

大地の中に染みる音~女性と詩の世紀をふりかえって

2014年10月07日

出演=水田宗子、伊藤比呂美、文貞姫
日時=2014年11月7日(金) 午後1時30分~ 懇親会 午後3時30分〜
場所=学校法人城西大学東京紀尾井町キャンパスホール
〒102-0094 千代田区紀尾井町3-26 TEL:03-6238-1200
問合=学校法人城西大学国際学術文化振興センター
入場無料・先着申込み順

詳細はhttp://www.josai.jp/event/2014/20140509.htmlまで。

趣旨

 2014年6月7日にチカダ賞記念国際シンポジウムにおいて、文貞姫と水田宗子の出会いがありました。生命の尊厳を表現するということに優れた詩人に贈られるこの賞によって出会った二人は、女性、詩、文学批評、翻訳と話が尽きず、次回は「女性と詩の世紀を振り返る」をテーマに語り尽くそうと約束して別れました。このたび、80年代の女性詩ブームをリードし、女性による詩のイメージを革新した、まさにこのテーマを語るにふさわしい詩人、伊藤比呂美氏も迎えて、鼎談を開催することとなりました。3名の国際的に活躍する女性詩人が、地球規模の視点で、これまでの詩表現とジェンダーを捉え直し、その知の蓄積をいかに次の世紀に継承していくのかについて自由に語り合います。

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文 貞姫

高麗大学文芸創作科教授を歴任され、現在、東国大学碩座教授。
1947年全羅南道宝城生まれ。東国大学国文科及び同大学院を卒業。文学博士。1969年「月刊文学」新人賞受賞で詩壇デビュー。詩集に『来て、偽りの愛よ』『私は門である』『多産の処女』『カルマの海』をはじめ、詩選集『今バラをお摘みなさい』など多数の著書がある。米ニューヨークで出版された英訳詩集『Wind flower』『Woman on the terrace』をはじめ、ドイツ語、フランス語、スウェーデン語、アルバニア語などに訳された多くの翻訳詩集がある。現代文学賞(1975年)、素月文学賞(1996年)、鄭芝溶文学賞(2004年)、陸史詩文学賞(2013年)等を受賞。2011年、スウェーデンの「チカダ賞」を受賞。米アイオワ大学のインターナショナル・ライターズ・プログラム修了(1996)イタリアベネチア大学の招待詩人(2011)、フランス「詩人たちの春」の招待詩人(2013)、スウェーデンストックホルム大学に招かれて詩を朗読(2014)するなど、国際的に活動している。


伊藤比呂美

大学在学中より新日本文学会の文学学校にて阿部岩夫に学ぶ。1978年『草木の空』でデビュー、性と生殖、そして死に関する言葉を多用し、『姫』『青梅』『テリトリー論Ⅱ/Ⅰ』などで80年代にかけての女性詩ブームを井坂洋子とともにリードし、女性による詩のイメージを革新した。1985年『良いおっぱい悪いおっぱい』で、「子育てエッセイ」という分野を開拓する。のちに詩をやめて小説に移行し、1999年『ラニーニャ』などで一定の評価を得るが、2005年『河原荒草』で、また詩に復帰し、2007年『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』で、説経節と現代詩を融合した独自の語りものの世界を確立する。音韻に敏感な表現スタイルもオリジナルなものとして評価を得る。2008年、熊本文学隊を旗揚げ。2011年10月1日より熊本学園大学招聘教授。


水田宗子

1937年東京生まれ。詩人、学校法人城西大学理事長。
大学在学中に、現代詩の会としてのちに多くの詩人・作家を輩出する『詩組織』(ぶうめらんぐの会)に参加。その後、1961年にイエール大学に留学。シルヴィア・プラスやその他の詩人との出会いもあり、評論活動も開始する。詩集に『春の終りに』(76年)、『幕間』(80年)、『炎える琥珀』(96年)、『帰路』(2008年)、『サンタバーバラの夏休み』(10年)『アムステルダムの結婚式』(2013年)『青い藻の海』(2013年)。詩の評論に、『受難の女性詩人』(79年)『モダニズムと〈戦後女性詩〉の展開』(12年)があり、こちらは北京大学出版会より本年中国語訳が刊行予定。2011年 The Pro Cultura Hungarica Prize(ハンガリー共和国文化勲章)、2013年 Commander’s Cross of the Order of Merit of Hungary (civil division)(ハンガリー中十字勲章)、2013年「チカダ賞」受賞。